英語の勉強を始めると最初の方で冠詞という項目に出会うはずです。
ペンには「a」、リンゴには「an」、太陽には「the」、
でも「ここはaをつけましょう」「この場合はtheです」
と混乱してしまったこともあるのではないでしょうか?
今日は、不定冠詞「a, an」と定冠詞「the」について考えてみましょう。
冠詞ってなに?
そもそも、冠詞ってなんでしょうか?
辞書を引くと、冠詞とは「名詞の前につけ、数・性・格などを示す語」とされています。
英語の場合は不定冠詞「a, an」と定冠詞「the」があります。
ちなみに、フランス語など他のヨーロッパの言語だと男性、女性、中性に分かれていたりします。
日本の学校では「初めて出てきたらa、2回目からはthe」などと教えられていたりしますが、
英語の文章を読んでいると、必ずしもそうではない場面に出くわします。
「a=ひとつの」「the=その」と訳しなさいと言われるけれど、必ずしもしっくりこないときもありますね。
食事中に"Please give me the spoon!" などと言われたりします。
「a,an」は同じものがたくさんある中のひとつ
「a」と「the」の使い分けのポイントは、話し手と聞き手の間でイメージを共有できているかどうか、
と考えればよいでしょう。
不定冠詞の「a, an」は、不定(定まっていない)という名前から想像がつくかもしれませんが、
「たくさんある同じもののなかのひとつ」ということを表します。
箱の中にリンゴがたくさんあり、どれかをランダムで手に取った場合、「an apple」となります。
I picked an apple. (私はリンゴを拾った)
「the」は話し手と聞き手の間でイメージが共有されているもの
一方で、例えば地面にリンゴが一つ落ちていて、それを拾った場合、話し手(拾った人)も聞き手(見ていた人)もどのリンゴかわかっています。
2人の中で拾ったリンゴのイメージが共有できています。その場合は定冠詞「the」をつけます。
I picked the apple. (私はリンゴを拾った)
ここで、上の二つの英文の日本語訳は同じことに注意してください。
日本語と英語はもともと違う言語ですから、「イメージが共有できているか」ということを表すことが日本語は苦手なんですね。
そのために「そのリンゴを拾った」のように指示語で補うことがあります。
冠詞「a」と「the」の使い分け
では、もう少しイメージを深めていきましょう。
There are 7 pencils. 「えんぴつが7本あります」(聞き手が知らない、区別のつかないえんぴつなのでtheはつきません)
You can choose a pencil. 「えんぴつを選んでいいですよ」(同じものの中からひとつ選ぶのでaがつきます)
I will choose the yellow pencil with red eraser.「赤い消しゴムのついた黄色いえんぴつを選びます」(話し手と聞き手の頭の中でイメージの共有ができています)
Oh, that is the one I like too.「ああ、それは私も好きなえんぴつですよ」(お互い好きなものが一致しています)
* * * *
I want to go on a picnic under the Sun!!「太陽の下でピクニックに行きたいな!」(太陽は人類にとってただ一つのものがイメージされていますので「the」。ピクニックはいっぱいあるけど、今日はその中のひとつのピクニックに行こうというイメージです。)
I want to drink a cup of coffee.「コーヒーを一杯いただきたいです」(一杯のコーヒーは世界中にたくさんある。その中の1杯をいただきたい、という意味ですね)
* * * *
I know the man!! I saw him at the station yesterday!! 「その男知ってる!昨日駅で見たよ」(すでにこの男については話題になっていたはずで、話し手と聞き手に共通のイメージがあるはずです)
What is the date today? 「今日何日だっけ?」(今日という一日は話し手と聞き手で共通のもので、それが何日だったか忘れてしまったんですね)
* * * *
He is the tallest student in the class.「彼はクラスで一番背の高い生徒です」(最上級にtheをつけるのも、一番〇〇だということが、聞き手やクラスのみんなの共通認識だからですね。)
This is the most important thing in your life. 「これはあなたの人生の中で最も大事なことです」(誰からどう見ても大事なことなんでしょうね。)
わからなくなったら、話してと聞き手になりきってみよう。
「a, an」なのか「the」なのかわからなくなったら、その話題の話し手と聞き手になりきってみましょう。
相手と共通のイメージを持っていそうだったら定冠詞「the」の出番ですね。
以上、いかがでしたか?少しは理解の助けになったら幸いです。
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